老年の豊かさについて ~キケロ(八木誠一・八木綾子訳)

情けないことに、キケロ (Cicero)の書簡を精熟思読したくても、ラテン語ゆえ、私にはまったく歯が立たない。

∴翻訳者として、Soul in the Game な翻訳者(※注釈者)老年の豊かさについて  キケロ (著), 八木誠一 (翻訳), 八木綾子 (翻訳) を通じて感じさせてください。

自然が人間に与えた最大の災禍は肉体的欲望だ。この欲望の満足を求めて、人間の情熱は抑えようもなく駆り立てられる。

祖国への裏切り、国家の転覆、敵との秘密の談合というような重罪がここから生まれてくる。
結局あらゆる罪過や悪行は、快楽への欲望が駆り立てて行わせてるものだ。
実際暴行や淫行、その他同様の破廉恥な所業にして、快楽の誘惑に駆り立てられずになされたものはない。自然が与えたにせよ、神が与えたにせよ、人間には知性より卓越したものは何もないのに、この至高の賜物にとって、快楽こそが最大の敵なのだ。

欲情が支配するところでは節制の余地なく、快楽の支配下で徳が成り立つことも全くあり得ない。

p64-65

ほんとうに哲学はいくら称賛しても、し過ぎることはないものだ。哲学する者は生涯のあらゆる時を苦痛なしに過ごすことができるのだ。

p19

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